効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

スイスが脱原発

スイスは電力需要の3分の1を原発から得ている。そのスイスが国民投票の結果、脱原発に舵を切った。原発の新設を禁止し、代わりに再生可能エネルギーの利用を増やす。今回の国民投票の結果を受け、長期エネルギー戦略に基づく改正法が2018年に施行される見通しで、既存の原発は安全性を確保できなくなった段階で解体していくとのこと。スイスはEU加盟国ではないから、EUの方針に従ったわけではない。周辺を多くの国に囲まれたスイスは自主独立の政策を貫いてきた。だが、エネルギー資源を豊富には持たないスイスは、自前のエネルギーとして原発に依存してきたのだが、それを大きく進路を変えたことになる。外国依存度を下げるために、再生可能エネルギーに頼らざるを得ないのだ。ただ、電力は周辺の国と系統がつながっているから、すぐに電力危機が来るわけではない。しかし、エネルギーの独立性を保ちながら脱原発をするのだから、容易なことではないだろう。幸いなことに再エネのコストも下がっているために、エネルギーコストが急上昇する恐れはないだろう。ただ、天然ガスについてはロシアをはじめとする諸国に依存せざるを得ないから、供給源の多様化によって輸入量の確保を図るだろ。その時、金融の中心でもあるスイスの経済戦略力が発揮されると考えている。