効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■欧州に海底水素パイプライン

フランスのマクロン大統領は9日、スペイン南東部アリカンテで同国のサンチェス首相とポルトガルのコスタ首相と会談し、スペイン北東部バルセロナと仏南部マルセイユを結ぶ海底パイプラインを2030年までに完成させる方針で3国が合意したと発表したと報じられている。年間200万トンの輸送を見込むとのことだ。これは、欧州の予想水素消費量の10%に相当する。当然のことながら、この水素は再生可能エネルギーの電気で水を電気分解したグリーン水素だが、パイプラインで運ぶような量にするには、多分大規模な洋上風力発電が新たに設置されるのだろう。どの国がこの再エネを発電するのだろうか。

ロイター通信によれば、ポルトガルとスペインを結ぶパイプライン(ポルトガルは地中海に面していないから、これは陸上だろう)も建設予定で、2本のパイプラインを活用しイベリア半島で作られた水素を欧州大陸全体に輸送することが可能となると、この報道記事にはあるが、新たな水素パイプラインを欧州大陸にも設置しないと、純水素を多方面に輸送することはできない。現時点では、燃焼特性が大きく変わらない程度の水素を天然ガスに混入させて送っているはずだが、その量はまだ少ない。水素タンクを取り付けた貨物列車やトラックによる輸送ネットワークは既に出来上がっているから、当面は、海底パイプラインが陸地に上がったところから、トラックや貨物列車による水素輸送になる。

ロシアからの天然ガスの輸入が止まり、将来的にも天然ガスの供給に不安が残ることから生まれたプロジェクトだろうが、当然のことながら、2050年にカーボン排出量ネットゼロを達成しようとするプロジェクトと両立することから、この合意ができたのだろう。環境対応ということで、EUの融資もこのプロジェクトに向けて準備されるらしい。

次世代のエネルギーとして期待される水素の利用拡大に向けて、日本を含む20余りの国や地域は、2030年までに再生可能エネルギーなどによる水素の生産量を年間9000万トン規模に拡大するという目標を設定しているから、今回の地中海に設置される海底パイプラインプロジェクトは、米国などは勿論だが、再エネ設置量周回遅れの日本にも影響を与えることになるだろう。

 

 

 

 

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