効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■台風勢力の削減

自分が幼かった昔の話だが、強力な台風が大阪を襲った時、今の東大阪にあった二階建ての自宅は大揺れに揺れた。それだけなら家が倒壊しない限り大丈夫だと思っていたのだが、強風がまともにベランダへ出るガラス窓の引き戸にあたり、大きく内側にしわるようになり、父と二人で必死になって壊れないように抑えていたのを思い出す。

その台風の勢力を制御する方法が実現するかも知れないと報じられている。2050年までに台風を人為的に制御することを目指すプロジェクトが今年始まったということだ。台風が発生するメカニズムの説明によると、暖かい海で低気圧ができると、風が吹き込んで内部に水蒸気が送られ、上昇気流に乗って上空で凝結し、積乱雲ができる。水が凝結すると多くの熱が放出され、暖められた空気が膨張してさらに気圧が下がり、上昇気流が強まる。これが繰り返され、台風に発達する。

台風は熱帯域から温帯域へエネルギーを輸送する地球上の重要なシステムで、暖かい空気を運んで気温を平準化したり、強い風で海をかき混ぜて海水温を下げたりする。水不足の解消にも欠かせない。このようなプラスの側面はこれまで知らなかったが、これを人為的に勢力の制御をしようとの試みがなされている。アメリカのハリケーンも同様の方式の対象となっている。

一方、国連の気候変動に関する政府間パネルIPCC)によると、地球温暖化で異常気象の発生頻度が高まり、過去40年で台風や熱帯低気圧はより強いものの比率が高まっている。日本でも台風による経済的被害は年々増えている。ということは台風被害が常態化する可能性もあると言うことだ。

専門家によると、制御には3つの方式があるようだ。①台風の目を囲む「壁雲」の外側に、人工降雨にも使われる「ヨウ化銀」をまいて雲を作り、台風本体に水蒸気が送り込まれるのを防ぐ②周りの海水温を下げ、水蒸気の供給量を減らす③台風の目の中に氷をまいて冷やす。

米国では、①の手法でハリケーンの制御を試みるプロジェクトがあった。米海洋大気庁によると、63年に実際にヨウ化銀をまくと、壁雲が壊れて風速が最大で約20%落ちた。69年にも同様の結果が得られた。しかし後の研究で、この変化がヨウ化銀の効果なのか自然に起きたのか、ほぼ区別ができないことが明らかになり、83年に計画は終了した。

だが、日本ではシミュレーションモデルで氷の投入方式を実施したところ、明らかな変化が実証されたとのこと。ただ、実際に適用するには氷の量が膨大すぎて現実的ではないことも分かったようだ。

この実証の推進が今後具体化するとのこと。自然を制御するのが成功するかどうか、次の報告が出るのを待つことにする。

 

 

 

 

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