日本の人口減少が続いている。総人口は1億2550万2千人で、前年に比べ64万4千人（‐0.51％）の減少となり、減少幅は比較可能な1950年以降過去最大となっている。その減少幅は10年連続で拡大し、高齢者比率が拡大している。
男女別にみると、男性は31万4千人の減少、女性は29万4千人の減少となり、男性は17年連続、女性は13年連続の自然減少となっている。この急速な減少を食い止めないと、働く人の比率も減少する。国としての経済力が目に見えて減ることになる。
過去に日本と同じような人口減少となったスウェーデンの事例を見ると、世界有数の高福祉国家へとカジを切った原点は、出生数の急減で「国民がいなくなる」とまで言われた1930年代の人口危機だった。19世紀以降に「多産多死」から「少産少死」への転換が進み、スウェーデンの出生率は大恐慌のころ、当時の世界最低水準ともいわれた1.7程度まで落ち込んでいた。現在の女性の就業率は高く、現政権の閣僚も半数が女性だ。家族支援のための社会支出は国内総生産（GDP）比で3.4%と、米国（0.6%）や日本（1.7%）をはるかにしのぐ。
日本でも女性の社会参加比率が上昇しているが、現時点ではそれが子どもを産まない状況を作っている。社会参加と出生数の維持を、スウェーデンにならって実現させないと、日本の国力は急減する。その役割を国民全体で果たさないと人口減少はさらに進むだろう。
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