効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■日本での大規模陸上風力発電の難しさ

日本で人口密度が低いところは山岳地帯が主となる。そこには風がよく吹くから風力発電に適した場所だが、殆どの場合、その近くに人口密度の高い地域が隣接している。そのため、大型の風力発電の設置には、翼の風切り音、そびえる塔による景観の損傷、渡り鳥などがぶつかって死傷するなどの理由で、地域の反対が出やすい。日本で風がよく吹くのは、北海道と東北地方だが、東北地方は上記のような阻害要因が出ることが多い。

報道によると、風力発電の大規模開発をめぐり、東北6県のうち3知事が相次ぎ懸念を表明しているとのこと。宮城、山形両県にまたがる蔵王連峰での開発計画に宮城県村井嘉浩知事が「反対」と明言。山形県吉村美栄子知事も「選んでほしくない」と述べた。青森県三村申吾知事は「無秩序」な森林開発に懸念を表明。背景には、国策による再生可能エネルギー開発の大規模化の中、風の適地が多いとされる東北地方に事業が集中している現状がある。

きっかけは宮城、山形両県の蔵王国定公園を含む地域で持ち上がった、関西電力による最大23基の風力発電計画だった。だが、地域住民の意見を忖度したものだろうが、村井知事の「反対」と吉村知事の「選んでほしくない」には具体的な条件がないために、設置そのものを拒絶しているように見える。三村知事の「無秩序」な森林開発に懸念には、どのような条件であれば受け入れるという余地が見える。計画地の一部には、希少な渡り鳥のルートが含まれ、同会や「日本雁を保護する会」などが実態を調査。16日にオンラインで開かれた調査報告会では、保護する会会長で研究者の呉地正行氏が「絶滅危惧種シジュウカラガンを含む、ガン類などの主要な渡りルートの一つだと分かった」などと報告した。

宮城県の環境対策課によると、県内で環境影響評価手続き中の風力発電は約300基に上るという。村井知事は一連の発言の中で、再エネ開発について「先人が育ててきた木を切ることで、逆に二酸化炭素の吸収源が減っていく」とその矛盾点を再三指摘。ただ、これには風力発電によって減る炭酸ガスと、森林が吸収する炭酸ガスの量をどのように算定するかが示されていないために、感覚論だとも言える。

日本はゼロカーボンを目指すのだから、全面否定ではなく、どのように折り合いをつけるかの妥協も必要だろう。

 

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