効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■脱炭素で経済は疲弊する

2050年にカーボンニュートラルという世界の目標は、あくまで目標であって実現は難しいだろう。最近、水素やアンモニアを燃料にすべく大量に生産しようとする動きが激しくなっている。量産が出来るようになればコストは下がるという予想だが、いま使われている石油エネルギーへの依存度を下げるまでには長い期間がかかる。それを促進するためにカーボンプライシングが言われているが、これは社会経済に大きな打撃を与える。

報道によると、2050年までに温暖化ガス排出の実質ゼロを目指す日本の切り札として、アンモニアへの注目が高まっている。燃やしても二酸化炭素(CO2)を出さず、既にある輸送手段や貯蔵施設を使えるなどメリットも多い。化石燃料に代わる「夢の燃料」を巡っては水素への期待が先行するが、日陰の存在だったアンモニアが「現実解」として主役の座に躍り出ようとしている。現在は大半が肥料の利用にとどまる。

アンモニアは常温常圧では気体だが、セ氏マイナス33度で液化する。セ氏マイナス253度で管理する液体水素に比べ、はるかに運びやすい。確かにそうだが、液化するまで温度を下げるエネルギー作るためには、現状で化石燃料を使わざるを得ず、実際にアンモニアを使える設備ができるまでには時間がかかるから、その間炭酸ガスの排出は増える。アンモニア製造事業も、利益に繋がらなければ誰も手を着けない。公的助成策をとったとしても当面利益は社会の負担で出されることになるから永続性はない。

経済産業省などの試算では、アンモニアだけの「専焼」の発電コストは1キロワット時23.5円(18年時点)で、同97.3円(20年時点)の水素を下回る。だとしてもこの専焼設備を開発し、稼働させるまでにはどれほどの年数がかかるだろうか。当面混焼でという方策もあるが、そのための実証にも時間がかかり、設備の改修も同じことだ。

このジレンマに対応するには、やはりカーボンプライシングしかないだろう。これによって化石燃料の消費が強制的ではあるが下がることで、カーボン排出量を引き下げることになる。この制度の導入は早いかも知れない。

 

 

 

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