効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■トヨタの水素エンジン車

トヨタ自動車は22~23日に静岡県で開催された24時間耐久レースに、水素を燃焼させて動く「水素エンジン」を搭載した車両で参戦し完走した。水素のみを燃料にしたレース参戦は世界初で、二酸化炭素(CO2)をほぼ排出しないエンジンの爆音が会場に鳴り響いた、と報じられている。水素で燃料電池に供給して発電し、その電力でモーターを回すというのが、これまでトヨタ自動車が商品化してきたものだが、水素で直接エンジンを駆動すると最初聞いたときには信じられなかった。水素の容積当たりエネルギー量は、ガソリンなどに比べものにならないほど低いからだ。走らせるだけならこれまでのエンジンを改良してできないことではないが、レーシングカーに使用するとなると、エンジンそのものを一から開発しなければならないと理解していたからだ。

静岡県小山町富士スピードウェイで開催された自動車レース「スーパー耐久」シリーズ。24時間の耐久レースにトヨタは水素エンジンを搭載した「カローラスポーツ」で参戦した。水素エンジンには「GRヤリス」で使われたガソリンエンジンを転用し、車体の後部座席には燃料を充填する炭素繊維製のタンクが4本、天井いっぱいにまで積まれていたと報じられているが、転用ではなく全面的な設計変更がなければ、レースで走るとは信じられないことだ。

報じられている当日の状況によると、違いは約20分後に現れたという。燃料の水素を充填するため、設備を搭載したトラックの「臨時水素ステーション」にカローラを横付けする。充填作業時間は1回6~7分程度。24時間の走行中に計35回の充填作業をした。完走した他のガソリン車の場合、多くは20回前後のピットインだった。

水素充填の時間が長く、全体を通じた走行距離や平均速度はガソリンエンジン車の半分程度だったが、24時間完走している。平均速度がガソリン車の半分ということだが、それでも驚異的な成果だと思う。

今回の水素直接燃焼の利点は従来のエンジン技術を生かすことができ、運転時に振動や音を感じられることだとされている。また「低回転でのトルク(駆動力)を生み出しやすく、トラックなどには向く」(トヨタ幹部)という。水素燃焼の自動車は、走行時にCO2を出さないが、当面は化石燃料から得た水素の利用だから、ゼロエミッションとは言えない。エンジンにこだわるトヨタ自動車の眼目がどこにあるかについて、エンジン関連企業の多さが言われるが、エンジン駆動の自動車関連の技術を絶やさないためだとすれば、水素エンジン車が適した利用分野がなければなるまい。トヨタは本当に商用車として商品化するつもりだろうか。

 

 

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