効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■「人工クモ糸」

慶応義塾大学発のスタートアップ企業、スパイバー(山形県鶴岡市)がタイで、クモの糸にヒントを得た全く新しい繊維の量産に乗り出すということだ。軽くて丈夫なうえ、石油由来でないため生分解できるのが特徴で、アパレルや自動車産業の需要を開拓する。構想から14年で量産にこぎ着け、2023年以降に米国でも生産を始める計画だ。「人工クモ糸」は繊維革命を実現できるまで普及するだろうか。

07年に産声を上げたスパイバーは日本で数少ないユニコーン企業価値が10億ドル=約1100億円以上の未上場企業)だ。量産を始めるのは人工たんぱく質素材「ブリュード・プロテイン」の原料。この素材はグルコースなど植物由来の糖類を微生物に与え、発酵させて作る。軽量で、強靱(きょうじん)さや柔軟性を備える循環型の素材として注目を集めている。

タイを初の量産拠点に選んだのは、微生物に与えるバイオマスを安価に調達できることが大きい。人工たんぱく質を1キログラム当たり100ドル(約1万1000円)以下で製造することは困難とされたが、タイ工場が稼働すれば達成が可能という。まずはアパレル業界をターゲットに据えている。米国発のブランド「ザ・ノース・フェイス」を展開するゴールドウイン向けなどが主体になる。ゴールドウインは19~20年にブリュード・プロテインを採用したTシャツやセーターなどを数量限定で発売済みだが、やはり割高だった。タイ工場が立ち上がったことで、今後は幅広いブランドに採用が広がる可能性がある。

化学繊維のように石油を使わず、毛皮のように動物の犠牲も必要ない。ESG(環境・社会・企業統治)投資の流れが強まる中、世界中から問い合わせは絶えないが、タイはマザープラントとして世界各地に構想する量産工場への知識の移転など重要な役割を担う。開発からここまでよく耐えてきたものだ。時代の流れはこのような繊維の需要を急増させるだろうから、収益性の高い事業に育つことを期待している。

 

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