効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■サハラ砂漠の太陽光発電電力を英国に

10年ほど前に、サハラ砂漠に反射鏡で太陽光をタワーに集めて高圧水蒸気を作り、タービンを回して発電した電力を、高圧直流にして地中海をまたいだ欧州に送電するプロジェクトが計画されていた。一時は実現すると期待されたのだが、その当時太陽光発電のコストも高かったことから計画から抜ける企業が続出してしまったのが、Desertecのプロジェクトだった。砂漠地帯には豊富な太陽光があることは当たり前だが、当時のアフリカでは、太陽光発電を利用できる国もなかったのだ。直流で海底電線を使って欧州大陸に送っても、それをほしい国の数も少なかったに違いない。

そのプロジェクトが復活しようとしている。英国のベンチャーXlinksで、集光式ではなく、コストの下がった太陽光パネル風力発電による発電を行い、海底設置も含めた高圧直流送電線経由で英国へ送るというものだ。発電規模は1,000万kWで、200万kWhの蓄電池を設置する。場所はモロッコ南部のTantan。英国では原発の発電コストが上がってきたために、再生可能エネルギーからの電力が安ければ導入したいと考えている。急激に太陽光パネルによる発電コストが下がっている。送電コストがそれに見合っていれば、英国は導入する可能性が高い。Desertecが欧州への供給を計画したのと異なり、今回のプロジェクトは英国とモロッコだけが交渉の対象となる。時間的にもコスト的にも有利になる。

216億ドルほどの総コストの内約半分が高圧直流送電線に充てられることになっている。これによって英国の電力消費量の7.5%を供給できるとしている。今英国は新規に4千万kWの洋上風力発電を建設しようとしているが、出力が変動するために、これを補完する発電設備が必要になる。今回のプロジェクトはその必要を満たす物になるようだが、実現するかどうかにはもう少し時間がかかるだろう。

 

 

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