効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■重量物を上下させて蓄電と放電

位置のエネルギーというものがある。重量のあるものが地球の引力に引かれると生まれるエネルギーポテンシャルで、その利用の一つが揚水発電。上の池に溜まった水の位置エネルギーと、それを下の池の水面が持つ位置エネルギー差を利用して発電し、逆に下池の水をポンプで上に押し上げることによって位置のエネルギーを消費して電力を使う。蓄電と発電が交互に起こせるということは蓄電放電ができるということだ。

重量物にも同じ位置エネルギーがある。それを電気モーター駆動の巻上機で釣り上げると電気が消費され、ワイヤーで結ばれた重量物を下に落とすときに発電機を回してやれば発電する。両方を交互に行えるようにすれば蓄電設備ができる。この蓄電設備はワイヤーとそれをつり上げる機械のモーターと、吊り下げるときに回転させる発電機は、全て機械設備でできていて、蓄電池のように化学反応を利用することもなく、稀少金属も使われていない。

つい最近、英国のエディンバラに、かなり高いタワーに重量物(重り)を吊り下げ、それに電気モーターと発電機を取り付けた蓄電装置設置が着工されたという情報が入ってきた。スコットランドのGravitricityという事業者が主体だが、位置のエネルギーを利用する設備は、500トン~5,000トンの重りケーブルで吊り下げ、ウインチで上下させる。1秒でゼロからフルパワーで発電することが可能で、ピーク出力は1~20MW。蓄電容量は述べられていないが、設備は少なくとも50年間は性能に劣化はないという。15分で放電ができるし、8時間かけてゆっくり放電することもできる。実証設備は16メートル高さのタワーと25トンの重り2つの構成になっている。炭坑の縦坑に付ければ、タワーを隠すこともできる。

これより先行しているのが、普通の煉瓦を幾つものはさみ金付きワイヤーで上下させる方式の,やはり位置エネルギーを利用した事業者にEnergy Vault社がある。これも併せてみると、蓄電池に代わる蓄電装置がこれから普及するのではないかと考えられる。このような蓄電設備が送電系統に連系されると、電力周波数を検知し、系統管理者からの指示にも従って、送電系統の安定化に大きく貢献することになるだろう.

両者については、https://www.gravitricity.com/ と 、https://energyvault.com/ で概要を知ることができる。

同様の方式が日本で実用化されないかと思っているが、まだその兆しが見られないのは残念だ。九州や北海道の炭坑跡地などに適した蓄電設備だと考えている。

 

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