効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■水素の輸入

千代田化工建設など4社が設立した「次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合(AHEAD)」は25日、ブルネイから水素を輸入する実証事業で、2巡目となる水素化作業を開始したと発表したそうだ。このプロジェクトは、水素をそのまま高圧なり液化させて輸送するのには大きな困難が伴うが、水素をチクロヘキサンにして液化させた常温常圧の液体にしてタンカーで日本に運び込み、水素を必要とするところで吸収されている水素を取り出して利用するというもの。ブルネイからメチルチクロヘキサン(MCH)の形で輸入した第一回目はこの6月の初めだった。トルエンと水素の結合により生成されるのがMCHで、特殊な素材を使用していないのが特徴。MCHは水素製造国に送り返されて、再度水素と合成されて需要国に運び込まれることになる。

経済産業省が2019年3月に策定した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」では、水素発電が再生可能エネルギー電源への移行と合わせ、低炭素化に向けた有力な方策と定義づけられている。また、2030年までの国の行動計画である水素基本戦略や第5次エネルギー基本計画は、2030年に水素発電の商用化を目指している。この計画の一端を担っているのがこのAHEAD。チクロヘキサンのままタンクローリーで輸送することもできるから、輸送コストも安くなる。水素を取り出すには触媒が必要だが、その触媒を千代田化工が開発している。今回の水素輸送が順調に進んだということは、海外からの水素輸入が、安定して実施できることの証明になる。

水素はオーストラリアの褐炭から造られるが、その時に発生するCO2をどのような形で取り出して貯留、あるいは、合成するかが今後の課題となるはずだ。輸送が順調に行えたことが実証できたのだから、水素製造段階でのCO2の処理方式を円滑かつ安価なものにしなければ、CO2は大気中に放散されてしまう。その段階のカーボンキャプチャーがどのように実施されているかについての情報をまた出してほしいと思う。

 

-------------

家族の一人がやっている猫、鳥、犬などをモデルにした手作りアクセサリーのご紹介。

https://minne.com/@plusme

https://www.creema.jp/listing?q=plus+me+accessory&active=pc_listing-form