長崎の造船所で修理中のクルーズ船の乗組員に新コロナウイルスが拡がっているという報道を見た。大型船の場合多くの乗組員が乗船しているが、一人が感染するとあっという間に他の乗組員にも拡がる。当初日本で問題となったクルーズ船の感染拡大で、閉空間に居る人への感染拡大の早さに驚いたのだが、これは外洋船の場合には運航ができなくなることを示唆していた。乗客が全部降りた後でも、船の管理に必要な乗組員は下船できなかった。同じことが石油やLNGを日本に持ってくる外洋船にも言える。石油やLNGを海外に全面依存している日本で、これを運ぶ船の乗組員が感染すれば、それを代替する余裕はない。特に、LNGの場合、日本での貯蔵量が全体で2週間分しかないようだから、その燃料を使った発電したりガスを送ったりする設備の運用をする人の感染に注意する必要があるとこの間書いたのだが、その時に気が付かなかったのがLNGを運ぶ特殊な船の乗組員の感染の重大性だ。常にバックアップ用の船があるほどの態勢ではないから、もし1隻が乗組員の感染で運航できなくなれば、日本の電力、ガス事業は、安定供給ができなくなる可能性がある。他の燃料も使っている電力事業とは違い、ガス事業は全面的にLNGに依存しているだけに、乗組員の感染防止に全力を投入する必要があるだろう。
同じことが、いま中東などに海外派遣されている自衛艦にも言える。自衛艦にも燃料補給は必要だから、外部との接触時に感染する可能性は小さくない。それぞれに特殊任務を持つ隊員だから、代替もできないから、日本に帰ることすら難しくなるかもしれない。代替性のない閉空間で仕事をする人は、他にも多くいるだろう。早くビールスの猛威が収まるための行動を一人一人がとる以外に方策はないだろう。
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