効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■IEAのエネルギー効率に関する2019年レポート

 IEAが今日Energy Efficiency 2019と題したエネルギーの効率化に関するレポートを発表している。そこで強調していることは、ここ1~2年、一次エネルギー消費の効率化の進展が進まなくなっている、ということだ。昨年のエネルギー効率の改善は1.2%上がっただけで、2010年以来で最低の数字になっているという。2017年の1.6%よりも低く、IEAが目標としている3%から見ると非常に低い。この低下の短期的理由は、一次エネルギー消費量の多い産業を抱える米国と中国が、その生産を大きく拡大したからだとしている。それに加えて、気候が温暖化の影響で、米国では冬が寒く夏が暑かったために、空調用に消費された一次エネルギーの量が増大したからでもある。欧州では冬の気候が穏やかだったために、暖房用天然ガスの消費が少なくなり、一次エネルギー消費効率は2017年の1.4%から2%に上がっている。また、これまでの数年間低下なり横這いしていた石炭火力発電量が、2017年には3%、2018年には2.5%増加している。これは発電効率の低い方式による電力量が増えたことによって、一次エネルギー消費量が増加したことを意味している。

 中長期的に見ると、一次エネルギー消費効率は全般的には良くなっているのだが、ここ数年の産業構造の変化が、エネルギー効率の低い産業にシフトしている見ている。消費者は燃費の悪い大型の自動車を選択するようになり、住宅の一人当たり面積が増大したことも効率を引き下げる方向に向かわせたようだ。この傾向が続くとすれば、産業の効率化技術をさらに強化しなければ、地球温暖化を抑制することは難しくなるともしている。効率化技術の効果がここ数年低下しているらしい。2015年から2018年の間で見ると、エネルギー効率向上の貢献度が半分になっている。とは言え、2016年から2018年の間で見られた効率化技術の向上によって、4%のエネルギー消費削減ができている。

 いずれにしろ、エネルギー効率化技術の向上がなければ、温暖化防止に向けた目標の達成は難しくなることは確かだ。IEAの加盟国は2015年から2018年の間で見ると、エネルギー消費に向けたコストを引き下げていることから見て、効率化技術の推進が重要課題になるのだろう。

 

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