効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■トランプ大統領のグリーンランド購入希望

 米国のトランプ大統領が、デンマーク自治領であるグリーンランドを購入したい意向を示したというニュースを見て、その背景となる理由がよく分からなかった。だが、ファイナンシャル・タイムズが報じたように、戦略素材の確保がその理由だが、表現がトランプ独特の商売人的発言になったらしい。グリーランドには戦略的に重要な鉱物資源であるレアアース(希土類)が豊富に埋蔵されている。グリーンランドレアアースの埋蔵量は3850万トンにのぼると推定されているが、グリーンランドを除いた世界の総埋蔵量は1億2000万トンだから、かなり大きな比率を占めている。同様に埋蔵量が多い中国が、その輸出規制をほのめかしたことが背景にある。米中対峙の一つの表れだと言える。それにしても他国の領土を買うという発想には驚かされる。過去には1867年(日本では明治元年)10月18日に、アラスカがロシア帝国からアメリカへ売却されたということもあるから、トランプ大統領にとっては一つの駆け引きでそれほど重要なことだとは思わなかったのかも知れない。

 レアアースに関しては、中国の埋蔵量が多いだけでなく、その加工技術でも他の追随を許していないことも重要だろう。グリーンランドでのレアアース埋蔵量は多いが、それを採掘しても最終製品に持っていくときの技術が必要で、グリーンランドにある企業2社がどれほどのレベルの技術を持っているかについてはいろいろな見方があり、中国依存は避けられないとする考え方もある。トランプ氏は中国がこの技術提供をすることで、米国にとって不利となる支配力を発揮するのを回避したかったのだろう。しかし、その原因となる米中対立を生み出したのは彼だから、これからグリーンランドを本当に入手しようと動くのかどうかも注意して眺める必要があるかもしれない。最終製品に持っていく技術を米国が持っていない可能性もあるからだ。

 今入ったニュースを見ると、トランプ米大統領20日、9月初めに予定していたデンマークのフレデリクセン首相との首脳会談を延期するとツイッターで発表したということだ。米メディアによると、訪問自体を中止。一体彼は何を考えているのだろうか。

 

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