効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■潮流発電

海に囲まれた島国であり、瀬戸内海という巨大な貯水池もあることから、日本の潮流発電の潜在量は大きいと思っていたのだが、これまで何回か書いたように、いろいろな場所で実証試験が行われてはいるが、なかなか普及の段階に入っていない。環境省は2018年に実用化するという目標を建てていたのだが、その目標達成は難しいのだろう。また、幾つも実証試験が行われてものが、現在どのような位置づけになっているかのレポートも出ているのか、出ていないのか、明確ではない。

設置場所によって設計条件が変わるために、いわば一品料理になってしまい、標準化による量産効果が出せないというのは理解できるが、日本での潜在量は大きいとされているだけに、早く実証試験から脱皮して潮流発電事業として登場してほしいと思っている。だが、最近報じられたものもやはり実証試験のようだ。これは、さる5月30日に環境省が発表した九電みらいが実施するもので、「長崎県五島市沖における潮流発電技術を実用化するための実証事業」だ。共同事業者は、長崎海洋産業クラスター形成推進協議会。公募要項によると、採択当初年度は原則9億円を上限として採択。実施期間は原則2019年度末まで。

この事業は、潮流発電の実証を通じて、国内の環境や技術基準等に適合した技術の確立を図り、日本における早期実用化を目指すもの。具体的には、潮流発電の分野で先行している欧州の発電機を採用し、国内初となる商用スケールで大規模なMW級(単機あたりでは世界最大級)の潮流発電の実証を行う。実施場所は、長崎県五島市沖奈留瀬戸海域。発電規模は、2MW潮流発電機1基。実施期間は2016年度~2019年度(予定)。また、2019年に実証運転を開始する予定となっている。この設備の大きさは、タービンの直径が16メーター、設備の高さは27メーターというから、船の航路を避ける必要はあるだろう。

干満は月の運行によって起こるから、潮流強度の予測はし易いし、潮流が止まって発電が停止するのは1日に2回だけとなるから、安定した電源となる。実証試験終了後早期に商用化が実現することを期待したい。

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この潮流発電機の仕様