効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■螺旋水車による水力発電

 関西広域小水力利用推進協議会からのメール情報で今日知ったことだが、岩手県一関市に完成した農業用水路を活用した小水力発電所に、日本工営が開発した「らせん水車」が採用された。国産の商用らせん水車が日本国内で導入された初の事例になるという。2~30年も前に富山県へ行ったときに、2~3メートル幅くらいの川で回転して作動しているものを見ているし、その時に調べて、富山にはメーカーがあることが分かっていたので、国産初のというのは、売電用に使われるものとしての国産は初ということだろう。海外製のものは、2015年に同じ岩手県にドイツのアクアヘリカ社製で最大出力13.5kWのものが設置されている。今年稼働し始めた国産(日本工営)のものは出力19.9kWだから少し大きい。水車の寸法は直径2.0m×長さ9.6m。八幡沢発電所での最大落差は2.51m、使用水量は最大1.346m3/秒。日本工営では、2015年6月~2016年6月に小鷹井堰地点(鹿児島県薩摩川内市)で、らせん水車発電(出力30kW)の実証試験を実施。また、2016年7月~2017年6月には商用国産らせん水車製造を目的とした模型実験などの研究開発を行い、2017年7月に販売を開始しているとのこと。

富山で稼働しているのを見たとき、日本では、螺旋水車はかなり昔から使われていたが、その力は川の水を田んぼに汲み上げるのに利用されていたという説明だったと記憶している。足踏み水車に比べて便利だから、水が豊富な富山で普及したとも書いてあったが、今回のものは岩手県。コストさえ合えば他県でも農業用水路で設置されてもおかしくない。小水力発電として固定価格買取制度で買い取ってくれるから、維持管理のし易さから見て、普及する可能性もある。文章での説明ではイメージがはっきりしないので、メール情報から日本工営の発表した写真を添付した。

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横にも水路があるから、全量を使っているのではなさそうだ。富山で見たものは、流れに横倒しに設置されていた。

 富山の鍛冶職人が大正時代に発明したものだと、富山県立大学の開発プロジェクトの中に記載されている。

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