効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■再生可能エネルギーの出力抑制

Facebookで、京大の安田 陽先生がインタビューを受けた記事が朝日新聞に今日掲載されていると述べておられた。再エネの出力抑制についてだったが、それに対する自分のコメントを書いてから、同新聞を買いに出かけた。最初に目指した新聞店に行くと、空き屋になっている。店をたたんだようで、移転したのか商売をやめたのかは分からなかった。仕方がないので、バスで近鉄学園前まで行き、そこのコンビニで入手。最初のコメントは全文を読む前に書いたので、間違った反応をしたのでは、と思ったが、それほど見当違いのコメントをしたのではなかったようだ。

インタビューの標題は「再生エネの出力抑制 長い目で見ると得」、「隠れた費用」が少ない電源 一部を捨てても導入増を目指せ  

九州電力では今日も太陽光発電の出力抑制を行ったようだが、昨年10月に初めて抑制を行った時にメディアが大きく取り上げて、その内容に安田先生が強い違和感を持ったということについてインタビューし、11面全体にその一部始終が掲載されている。先生によると、報道の多くは表面的で、何のための出力抑制かが十分伝わっていなかったと感じられたそうだ。そして、再エネが増えれば出力抑制を求められる時間も増えるが、そんな一部を捨てても年間を通した再エネの発電電力量を増やすことを目指すべきだ、と述べておられる。そして、そこでの判断基準は「便益」と「隠れた費用」にあると強調しておられる。

これに対する自分のコメントは、天候予測で出力抑制が必要になるかどうかは予め分かるから、それに対応して原発もある程度の出力抑制をするべきではないか、というものだった。その後調べて見ると、欧州では原発も出力抑制することが、再エネ導入量を増やすのに望ましいとするポジションペーパーが、欧州原子力産業協会(FORATOM)から出されていることが分かった。ただ、日本の原発がここで述べられている柔軟性を持つような設計になっているのかどうかは分からない。九電の今日の発電状況を調べてみると、どうも稼働できる原発は全てフル稼働のようだ。安全性に影響があるとすれば避けるべきだが、午前中から2割ほど出力を下げて運転すれば、太陽光発電の出力抑制を少なくはできるし、使用済み核燃料の発生量も抑制できる。九電の保有する原発にこのような柔軟性があるかどうかはもう少し調べないと分からないから何とも言えないが、現在国が定めた方式では、原発地熱発電の出力抑制はしない前提になっている。

安田先生は、原発と並列に議論するのは避けるべきだと言われるかも知れないが、この辺りを見直すことはできないのだろうか。

これと同時に、自家発などの出力を下げる(系統からの電力を使う)などの需要制御システムの導入も検討すべきではないだろうか。