効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■開花の予測

奈良県では、県の特産「小菊」の安定出荷を実現すべく、成長データを蓄積し、小菊の開花時期の予測法の開発に取り組む方針を固めたということだ。天候の影響で需要期に品薄状態となることがある県の特産品、小菊の計画的な出荷につなげようとするもの。小菊は盆や彼岸の時期に需要が高まるが、昨シーズンは猛暑や台風などで入荷量が伸び悩んだ。開花時期のデータなどを蓄積して、将来的には需要の高まる時期に計画的に出荷できるような栽培法を開発するとしている。

奈良県では小菊の栽培が盛んで、出荷量は沖縄県に次ぐ全国2位。中でも、平群町では約100軒の農家が菊を栽培しており、夏秋期の小菊の生産量は日本一だという。「平群の小菊」は平成21年、地域団体商標として特許庁に登録されている。

開花を予測するだけでなく、開花時期、出荷時期を需要が多いときに合致するように小菊の成長を管理しようとするもののようだ。それにはまず、小菊の成長、開花に影響する要因になる幅広いデータが長期間採取できるようにしなければならないが、現時点でどれほどのデータ項目が対象になっているのだろうか。また、この地域に限った気温、湿度、日照、肥料、水などのどれが重要項目かの確証も得られているのだろうか。これまでに蓄積されたデータが、例えば奈良県全体の気温の推移だとすると、それが平群のそれと合致しているのかどうか、平群の気温と一定の法則で推移しているのかどうかなどを見極める必要があるだろう。

よく、膨大なデータを処理することによって、予測の精度が大きく上がるといわれるが、これを具体化するためには、データ項目の間の関係性を明確に把握していなければ、データをどのように処理するかは確立出来ないはず。開花時期の予測までは辿り着けるかも知れないが、生物を相手のことであるだけに、それを人為的にずらすことがどれほどできるのだろうか。

この予測法の開発には、かなり長期間を要すると覚悟を決めなければならないが、一方では、成長因子にまだ知られていない要素があって、予測不可能という結果になることもあるかもしれない。その時には潔く出来ないという宣言をする勇気も必要だろう。