効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■NYレトロ超高層、建て替えより改修

地震が少なく、竣工から半世紀をゆうに超えた超高層ビルが立ち並ぶ米ニューヨークのマンハッタン。時を刻んだレトロ建築は歴史的な価値が高いが、現代のオフィスに求められる機能や設備は多岐にわたる。竣工時の建物のままでは、テナント企業の要望を十分に満たせない。三菱地所米国子会社のロックフェラーグループ・インターナショナル(以下、ロックフェラーグループ)は、1959年に完成した超高層ビルを、躯体(建物の骨組み)を生かしながら外観や設備を刷新するということだが、いかに地震がないとしても、高層ビルを支える鉄筋は永久に同じ強度を保つわけではあるまい。劣化した鉄筋コンクリートでも、地震がなければ心配はないとうことだろうか。

自分が翻訳したエイモリー・ロビンスの著書「Reinventing Fire」、邦題「新しい火の創造」(ダイヤモンド社)で詳細に説明されているエンパイア・ステート・ビルの改造も、翻訳しながらも本当に強度は大丈夫なのかと思ったものだ。日本では法規制から見ても、古いビルは建て替えが要請されるのが普通だ。だが、歴史的な遺産である建造物について、壊さないで外観を残す建築手法を日本でも開発すべきではないだろうか。日本に合った構造物の補強の仕方があれば、壊さなくて済んだ建物も多いように思う。

エンパイア・ステートビルのケースでも、内部を現在の企業が望む方式に変更し、外部の断熱を窓も含めて徹底させることによって、テナント料を大きく上げることができ、また、エネルギー消費が大きく下がったために、数年で投資額を回収できている。そのようなケースが米国では多く見られる。地震の多いカリフォルニア州の建物がどのようになっているか、一度調べて見たいと思うが、日本のように簡単に建て直しをしているのではないだろうと思う。