効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ボイラー燃料削減10%超の技術

新潟県の皆川製作所は、電気製品などの組み立てを専門に手掛けているが、それとはかなり分野が異なる技術分野の製品開発に成功したようだ。独自開発したボイラー用の燃料削減装置の本格販売に乗り出すということだから、作業という形のない事業から、装置というハードの販売をすることになる。余程の魅力をもたせて、同時にそれを顧客に納得させなくてはならないから、難しい事業になるように感じた。その製品は、水を電気分解してできる、水素と酸素からなる酸水素ガスと呼ぶ気体を使って灯油などの燃焼効率を高めるもので、10〜20%の燃料費の抑制効果を見込み、工場や温浴施設、ホテルなど向けに展開すると報じられている。その原理を応用するのは出来るだろうが、誰でも簡単に使える物にまでもっていかないと、現場には受け入れられないと思える。だがそのバリアーを乗り越えて、まず2019年6月末までに10台の販売を目指すというから驚きだ。装置は東京にある商社のエナテクノスと共同で開発したという。共同事業者も開発事業者ではないのだから、よく商品化にまで行けたものだと感じる。販売ルートはこの商社が持っているのだろう。
2017年にボイラーメーカーと岐阜県温浴施設で性能を確かめたところ、装置を使わない場合に比べて、約15%の燃料が削減できたそうだから、取扱が簡単で、別に資格を持つ人が運転するものでなければ、魅力的であることは納得できる。操作の容易さと耐久性の維持が課題だろう。装置の価格は設置場所の環境などによって異なるが、月間の削減効果の2分の1程度の価格でリース販売する。売りきりの製品には出来なかった側面があるのかも知れない。
この報道内容に続きがあって、新潟大工学部の八木政行教授と、装置の性能向上に向けた共同研究を始めたということだが、商品の性能を向上する余地が大きいということだろう。共同研究には資金が必要だが、かなりの覚悟で取り組んでいるように見える。エナテクノスをネットで調べてみたら、この報道は商社としているが、どうも酸水素ガスを販売しているところのようだから、皆川製作所は設備の製作を担当しているようだ。これまでの組立事業とどう違うのかが報じられていないのが物足りない。エネアテクノスは、http://enatechnos.co.jp/service.htmlで、皆川製作所はhttp://minagawa-ss.com/ で事業内容が分かる。少しややこしい記述の仕方になってしまったようだ。