効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

東京オリンピックに燃料電池船

燃料電池を動力として走る船の実証試験は行われているが、実用的にはまだ未完成だ。だが、東京都は2020年東京五輪パラリンピックに合わせ、国内で初めて、水素を用いた燃料電池船の商業運航を目指すことを決めたと報じられている。2018年度予算案に1億円を計上し、船を新造する民間企業を募って建造費を補助するということだ。世界中から観光客が集まる東京大会時に運航させ、環境先進都市をアピールする目的だとされている。燃料電池船は建造費が高いことがネックになっている。旅客船の動力は重油を燃料とするディーゼルエンジンが一般的で、乗客が10〜20人規模の船の建造費は約5000万円。燃料電池船の建造費は、燃料電池による駆動部分のコストが大きいため、この4倍程度とされている。燃料電池船の場合、船が出来ただけではなく、水素の製造、輸送、貯蔵、燃料補給のシステムが整備されなくてはならない。これがうまく開発実用化されるだろうか。船とそれに関わるシステムがうまく整備されれば、そして、補助策が十分とられれば、他の目的にも使われる燃料電池船が生まれるかも知れない。意欲的な目標だと思うが、開発の難しさに負けずオリンピックに間に合わせて欲しい。水素の大量製造輸送事業を育てる意味も大きいはずだ。