効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

*洋上風力を日本で拡充するために

日本で洋上風力を新設するのは、遠浅の海が少ないからだし、環境アセスも厄介だし、漁業権との衝突があるのを避けにくいし、なかなか海外と違って難しいと書いたことがある。それについて資源エネルギー庁が出した資料に同じようなことが書いてある。

エネ庁が課題として上げているのは、まず、一般海域を長期で占用することについての統一的なルールがないということ。一般海域には、長期にわたって海域を独占して利用すること、つまり「占用」に関する統一されたルールがない。各都道府県は条例により「占用許可」を出すことができるが、これは通常3~5年という短期間の許可となっており、また都道府県によって異なる運用がなされているとしている。

第2は、先行利用者との調整に関わる枠組みが存在しないということ。海には、海運業や漁業など、先行して海を利用している事業者が多く存在する。しかしながら、洋上風力発電事業者から見れば、誰がどのように先行利用をおこなっているかの把握が難しく、また先行利用者から見れば、発電事業者に適切に意見を伝える方法がなかった。つまり、意見を調整するための枠組みが整っておらず、予期できない事業リスクと膨大な調整コストが事業実施の大きなハードルとなっている。

そこで、国の主導で、洋上風力発電をおこないやすい環境をつくる必要があるとしている。日本でも洋上風力発電を増やしていくためには、ヨーロッパの取り組みも参考にしながら、これらの課題への対応策を組み合わせた導入促進策を進めていく必要があることから、政府は、2017年12月に一般海域利用についての検討チームを立ち上げている。そして、「再エネ海域利用法」は、これらの課題に対応しようとするものだとしている。この法律では、国が、海洋再エネ発電に関する基本方針を定めた上で、海洋再エネ発電事業のための利用を促進する海域を指定したり、先行利用者との調整の枠組みを設けたり、海域の占用などにかかわる計画を認定することが定められているとのこと。

洋上と言っても沿岸部だから、津波対策もあり一筋縄では行かないだろうが、何はともあれ、国が乗り出したということは、いくらかでも導入速度が上がると期待したい。また、洋上再エネという表現があることから、潮流発電や潮汐発電も含まれているのだろう。

 

これまで利用していたハテナ日記にアクセスすると、このページにジャンプするように設定しました。来年には日記がなくなるということで、このブログページを作りましたが、まだ不完全ですのでご容赦ください。