効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

*苔(こけ)シート

苔寺を訪れて、苔が美しいのに感心したことがある。自宅では連れ合いが苔を大事にしていて、植木屋が庭の手入れに来る毎に、苔を踏みつけて可哀想だという。この苔が、一つの商品として海外まで進出していると言うことを最近知った。農業生産法人のグリーンズグリーン(新潟市)は、観賞や屋上緑化に使う「苔シート」の海外販売を本格化するという報道記事があった。小売業のビームスと連携し、ロンドンのホテルで12月から製品の展示と販売を開始し、2019年秋をめどに米ニューヨークに直営店を開くということだ。世界的な環境・景観への意識の高まりを追い風に、建築資材としての苔を海外に広めようとしている。

同社が展開するシート状の苔は「砂苔」と呼ばれる生育しやすい品種で、栽培に土を使わない。苔には土が必須だと思っていたが、石の壁に育つ苔もあるから、土が不要な苔もあることも理解できた。好みのサイズに切り取って床や屋上に敷いたり壁に貼ったりすることができるらしい。屋内での維持方法は霧吹きのみで、屋外ではほとんど手入れが不要。維持の費用や手間がかからない。

現在の栽培面積は1ヘクタールで、シート2万枚分にとどまるが、これを拡張する計画だという。国内では太陽光発電の事業者との連携を進める。太陽光パネルの下は日光が当たる時間と日陰になる時間が定期的に入れ替わるため、砂苔の生育に向いているという。太陽光パネルの下には土があるが、雑草が生えるのを防ぐために羊を放し飼いにしているところもあるが、苔で覆われてしまうと雑草も生えないのだろう。絶好の苔栽培地を見つけたものだと思う。グリーンズグリーンは国家戦略特区の規制緩和を活用して15年に設立され、耕作放棄地で苔を栽培しているが、海外展開も出来るまでに育ったというのは、事業のユニークさも相俟って、注目していきたいものだ。