効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

石炭の利用

化石燃料としてもっとも埋蔵量が多いとされる石炭だが、その中には低質の褐炭と呼ばれる利用がしにくいものがある。ここ当分石炭を火力発電の燃料として利用するのは増大するだろうが、この褐炭は不向きだとされる。だがその埋蔵量は多い。これの利用が効率的に行えれば,炭素の排出を抑えながら石炭を使うのが地球温暖化の見地から見て望ましい。この利用技術を新日鉄住金エンジニアリングが開発したと報じられている。ECOPRO(エコプロ)と呼ぶ独自技術は石炭ガス化炉で、炉が2階建てで熱分解反応を利用するのが特徴だ。下の炉に細かく砕いた褐炭を入れ、不完全燃焼させ、発生する高温ガスを上の炉に送る。上の炉にも褐炭を吹き込み、下の炉から来る熱を利用してガス化する。ガス化できれば発電にも使いやすいし、代替天然ガス(SNG)のほか、水素やディーゼル油、アンモニアなども得られる。国内の実験で世界最高レベルの85%のエネルギー変換効率(冷ガス効率)を達成したというから、世界的に注目されるだろう。新日鉄住金エンジが海外で事業化に取り組んでいるパートナーである中国の山東棗荘鉱業集団(山東省)と内モンゴルで19年度に実証プラントを建設するという。この他に石炭ガス化コンバインドサイクルやカーボンキャプチャー技術の開発が進められているが、早期の実用化が望まれる。どうしてもコストの安い石炭への需要は当面増大することは避けられないから、それが地球温暖化を促進しないようにしなければならないからだ。