効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

固定価格買取制度見直し

小渕優子経済産業相は12日、再生可能エネルギーで作った電気を電力会社が買い取る制度の見直しについて「(総合資源エネルギー調査会で)色々な検討が進んでいる。年内の時点で一定の答えを出してほしい」と述べ、年内に結論を出す考えを示したと報じられている。また、「再生エネの中でもバランスをとるのは大事」と話し、太陽光を抑え、地熱や風力発電などを拡大する必要性も示したとのことだが、何を言っているかという感じがする。固定価格買取制度は2012年に開始された時から毎年見直すことにもともとなっていて、太陽光発電については昨年度大幅に引き下げられている。この制度を実効あるものにする意図から、太陽光発電の買取価格が意図的に高くしたということがあったのも確かだ。だが、他の再エネ価格は据え置きになっているのだから,経済産業省の想定したテンポに比較して、太陽光発電だけが突出して設置申請が多くなったのだが、それを条件が整っていれば承認するという安易な姿勢で対応したことが、いま見られるような系統容量の少ない電力会社が系統連系を受け入れないという結果を招いたとも言える。太陽光発電設備自体は、モジュールになっていて適当な空きスペースさえあれば設置できるし、急速に設備価格が下がっているから,大規模なものも短期間で設置しやすいため、さらに買取価格が下がらないうちにという駆け込み申請が増えたのも大きな理由だ。系統容量の問題は風力発電にも同じようにあって、風況の良い北海道や東北電力ではすでに系統受け入れを事実上しなくなっているのだから、風力や地熱などという発言を経産省が大臣に言わせたということが問題だろう。風力や地熱については環境アセスメントなどもあって事業自体の準備に時間がかかるし、リスクも大きいから、事業数は簡単に増えるものではない。いま系統連系が保留されている太陽光発電の中には、連系してもほとんど問題がないものも多いはずだから、その保留期間が長くなるのは社会問題にもなりかねないと思う。電力会社は天候によって変動する発電設備の連系にはもともと消極的なのだから、かなりの強権を発動してでも系統容量の事実関係を明らかにし、分かりやすく公表・説明する義務が経産省にはあるだろう。