効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

LNG燃料船

船はディーゼルエンジンで走る。燃料は重油が一般。これは硫黄の排出もあって大気汚染にも悪影響を与えるために、世界的に規制が強化されようとしている。港に停泊中もエンジンの一部は稼働を続けて、船の必要とする電力を供給するため、港湾周辺の大気汚染を引きおこす。ずっと前にここで書いた記憶があるが、停泊中の船舶に港湾施設側から電力を供給するところも出ている。だが、重油を使う限り、海上運輸が大気汚染、CO2排出の問題を加重していることは確かだ。だから船舶用燃料にLNGを使おうという動きも世界的に出ている。
日本政府が導入を目指す液化天然ガス(LNG)を燃料に使う船舶などの補助事業に日本郵船が内定したという。LNG輸送を行う船が、輸送中に発生するボイルオフガスを燃料に使うケースはこれまでにもあるが、LNG燃料船の導入は日本で初めて。まず港湾周辺で使う小型船で2015年に採用し、大型船にも広げる。国連が2020年にも船舶の環境規制を強化するのに対応したものだ。今回の補助はいわゆるタグボートに使うもので、投資額は約15億円とのこと。経済産業省国土交通省が3年間で数億円を補助する。日本郵船はLNGの補充方法や火災などに備えた防災体制のノウハウを蓄積し、将来はタンカーやコンテナ船でも導入を検討する。商船三井も内航フェリーでLNGの活用を狙っており、日本の海運会社でLNG燃料船の採用が広がる見通しだと報じられている。これを早期に実用化しないと、世界、特にヨーロッパの港で閉め出される可能性もある。ノルウェー船級協会によると、世界のLNG燃料船は20年までに1000隻に増えるとされ、現在は欧州の海運会社が小型船を約40隻導入しているとこの報道は伝えている。
これから日本のLNG導入量が増大することは確かであるが、船舶がLNGを使うようになればその量はさらに大きくなるだろう。今後のLNG価格への影響もある。日本全体の輸入量が増えるということは、国際的な価格交渉に有利に働く側面もあるから、地球環境対応の施策として力を入れる価値は高いと言える。