効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽電池パネル関連のCO2排出量

長男がオーストラリアのブリスベンにある大学で建築デザインを教えている。彼とは結構頻繁にメールをやりとりしているが、今日面白いことを書いてきた。同僚と話したことらしいが、中国からオーストラリアが輸入して設置されたパネルの様々な環境コスト(生産、運搬、組み立て、解体全体)を考えると、一体どのぐらいの期間でそれを回収できるのだろうかということだ。パネル生産に消費する電力量は、設置後の発電で3〜5年で回収されるというのが定説だが、カーボンエミッションがどうなっているかについてのレポートを目にしたことはない。
中国は安いパネルを輸出して世界を席巻してきたが、その製造には石炭火力が主体の電力を使う。オーストラリアがこのパネルを輸入するとすれば、その輸送にも船の燃料が消費されてCO2が排出される。設置場所までの輸送、取付、さらには寿命が来た時の処分にもエネルギーを消費しCO2排出量は上がる。その総量はどの位になるだろう。オーストラリアで設置されて稼動するこのパネルからの電力は、従来の火力発電所の発電を下げるが、太陽光発電の出力変動に対応するのはCO2排出が少ない天然ガス火力が主体となる。だから削減量は中国での製造向け発電で出たCO2排出量より相対的に少ない。だから、地球環境全体で見れば、ライフサイクルで見てCO2排出量をゼロにする効果が出るには何年かかるだろうか、また、オーストラリアはパネル製造時のカーボン排出コストを負担しないで、自国のカーボン排出削減の成果を手にしているのではというのが議論だったようだ。この連鎖を数字で示したレポートはないだろうか。あるいは自分の解釈の仕方に誤りがあるかもしれない。誰か指摘してくれたら有り難い。