効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

クールビズ

クールビズの開始がかなり早くなったようだ。暑さが早くやってきたということもあるが、いまに電力供給逼迫可能性という危機感がそうさせている面もあるだろう。この時に留意しなくてはならないのは、クールビズが始まった当初の目的は、電力消費を抑制して化石燃料の使用を抑え、地球温暖化ガスである炭酸ガスの排出を削減する目的で開始されたものだ。もともとは環境省がリードしていた。ところが、いまの感じでは、この夏に可能性がある電力使用制限の発動を避けるために今から習慣づけさせておこうという意図も感じる。しかし、夏の問題はピーク時の電力消費を抑えるということで、全体の消費を同じように削減するのは、目的が異なる。全体の消費を抑えるのは別に悪いことではないが、冷房があまり必要ない時間帯に冷房を強く入れることで、ピーク時に冷房負荷を落とすということも考えるべきではないか。普通の住宅では難しい点があるが、古いオフィスビル、特に鉄筋コンクリートでできた重厚なビルの場合、もし早朝から冷房装置を働かせて、午前中は少し寒いくらいに冷房を効かせておく。そして本当に電力消費を抑えなくてはならない昼前くらい、あるいは昼過ぎに設定温度を数度上げてやる。そうすると、冷房装置はほとんど停止状態に入るから、電力消費は大きく下がり、部屋の温度が数度上がるまでは稼動しない。循環ポンプ程度が稼動を続けるかもしれないが、その時にクールビスが効果を発揮するはず。もしビルの冷房がガス空調であれば、利用を抑制する必要度は高くない。しかし、ピーク時にガス空調にも必要な電力消費を上げないようにする工夫は必要はあるだろう。午前中に冷房を効かせると、壁や天井、床などに低温が吸収されていて、冷房が止まってもしばらくは冷気の放散で室温が急速に上がることはないはず。もっとピーク負荷の抑制について肌理のこまかい手法を電力会社は広報すべきだと思う。節電節電を言うだけなら誰でもできる。システムの理解をしている電力会社が率先して情報を公開すべきだろう。あまりにも策がなさすぎる。