効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

周波数変換

電事連が、東日本と西日本をつなぐ周波数変換設備を、210万キロワットに増強することが必要だという見解を表明したと報じられている。現在100万キロワットであるのを、来年度中に120万キロワットに増やす工事を行っているが、それに90万キロワットを追加するという。経産省ではなく、電事連の見解だから、電力業界は本当に尻に火がついた状況なのだと考えられる。東電も関電も原発が再稼働できるかどうか先が全く見えない現在、どの道やらなければならないのなら今から手を着けようと決心したのだろう。拡張の費用は1320億〜3550億円、工期で10年程度〜20年以上が必要だとしているが、変換設備自体だけではなく、そこまでの送電線の増強に必要なコストと時間が計算に入っているからだ。直流送電線の採用などで既設地点をうまく活用すれば、ガスタービンを設置して備える方法より安価で済むということも発表の内容に入っている。日本全体の発電設備を有効利用できるのだから、長期的にも有利なものとなるはず。だが、増強規模をもう少し大きくしてほしかった。210万にするのは過程とし、もう少し長期には300万キロワットほどにすれば、日本全体の周波数を統一するなどという愚策を検討する必要もなくなるだろう。もう一つ望みたいのは、北海道と本州を結ぶ直流連系線の増強だ。風力発電を大きく増やすことができるのは北海道と東北だが、現時点では北海道電力が受け入れできる風力発電規模は、連系線容量が小さいために限界に来ているからだ。