効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽光エネルギーの直接動力利用技術

今日は猛烈な暑さでした。その中でテニスをしましたが、2セットの試合をして帰宅して飲んだビールのうまかったこと。
帰宅してからゆっくり読んでいた日経新聞に、光を当てるだけで回るモーターが開発されたと出ていました。太陽光に含まれる紫外光を当てると縮み、可視光を当てると元に戻る特殊な液晶高分子フィルムを利用し、光だけで回転する小さなモーターを、世界で初めて開発したそうです。東京工業大と中国・復旦大、カナダ・マギル大の研究チームの共同研究成果です。このようなグローバルな研究が行われているのも嬉しいことです。
従来モーターでの駆動というと、電気で回すのが当然でしたが、伸び縮みを交互に繰り返させることで軸を回転させるのです。その速度は当てる光の種類の切り替え速度と、それに反応するフィルムの伸び縮み速度と伸縮量によって決まるはずです。直接光エネルギーを変換する駆動ですから効率が高いと報じられていますが、効率の比較対象はおそらく太陽光発電の変換効率との比較になるのでしょう。電気モーターの効率はかなり高いですから。
東工大の池田富樹教授の談では、単位面積あたりのパワーは最大で人間の腕の筋肉の約10倍だそうです。大型化して、晴れていれば走れる自動車を作りたいとのことですから、楽しいことになるでしょう。
このモーターは、液晶高分子フィルムの裏をポリエチレンで補強したベルトを、大小2個の滑車(直径1センチと3ミリ)にかけたもので、小滑車側に紫外光を当てるとフィルム表面が縮み、大滑車側に可視光を当てると元に戻る力で、1分間に1回程度ゆっくり回転すると述べられています。図解がないと分かりにくいです。
実用化までには耐久性、紫外光をどのようにして作り出すか(光フィルターかな)、駆動力を上げるベルトの設計、回転数の制御など、いろいろ課題があるでしょうが、まったく今までになかった方式だけに応用範囲も広いでしょうし、大きな期待を持ちたいものです。