効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

自動車の重量

炭酸ガスの排出を減らすべき分野としてもっとも重要なものは自動車である。エンジンの効率を上げることも重要であるが、ある程度限界に近づいていると考えられる。効率を上げる余地が大きいのは、エンジン出力に対する車体重量をできるだけ減らすことである。もちろん自動車メーカーもこれには留意していて、車体構造の基幹部分である鉄を強度の高い薄板にし、さらにはアルミニウムなどの軽い素材に変えてきた。
エイモリー・ロビンス博士が昔から主張している車のデザインとしてハイパーカー(Hyper Car)というものがある。一番の基本は、車体の素材を強化プラスチックにして車体重量を減らし、空気力学的に走行時の空気抵抗を少なくなるように設計し、エンジンからの力を車輪に伝えるのにシャフトではなく、車輪一つ一つに取り付けた電気モーターを使うというものである。最初の項目である強化プラスチックへの変更が大きく前進する可能性が今日の新聞に報道された。東レ日産自動車などと共同で、炭素繊維(カーボンファイバー)で強化したプラスチックを使用して、基幹部品である車台(プラットフォーム)の重量を大幅に軽減するのに成功したそうだ。鉄製の車台は高級乗用車で約300キログラムだが、これが150キログラムになるそうで、車体全体としては1割軽くなるそうだ。衝突時にも反発性・弾力性があるために安全性も高まる。コストの高さがいままで導入を阻んでいたそうだが、量産手法を確立してコストを下げることができたようだ。
これまで米国を中心にSUVなどのように大型で燃費の悪いのものに消費者の関心が高かったが、ガソリン価格の上昇や規制の方向も加わって小型の自動車にシフトしつつある。この新しい技術の実用化は自動車の燃費を向上するのに大きく貢献することだろう。エイモリーに知らせてやったが喜んでいるに違いない。