効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■空調の空気をサービスとして販売

 ダイキンパナソニックなどの競争相手と連携して、空調システムの新しいサービスを生み出そうとしている。これまでは空調機器の販売が事業だったが、今後新しい事業として、空調利用者の必要に応じた温度と風量を提供するサービスの事業を始めようとしていると報じられている。人は眠気が出ると瞬きの回数や、まぶたの開きなどが変わるようで、それをカメラやセンサーで把握し、その人に対して目が覚めて快適になる程度の温度に下げて送風する。部屋全体を同じ温度にするのではなく、場所によって異なる温度や風量を変えようというものだ。仮眠室ではベッドマットにセンサーを取り付け、生体情報を収集。眠りの浅い状態の時に、ピンポイントで風を届ける「空気砲」で頬をなでるように刺激して起こす。トントンと肩を優しくたたいて起こすイメージだ。パナソニックとも連携。照明を少しずつ明るくして、光の刺激で意識を覚醒させて自然と目覚める技術を検証する。両社はエアコン販売で激しく争うライバルだが、今回は「協業するメリットのほうが大きい」(パナソニック)と判断したという。

 病院などの空調負荷は非常に大きいが、それが最適に利用されていることは少なく、これまでの機器販売じぎょうからすれば、過剰設備を売ることが多かった。だが、これからはサービスを売ることになり、病室や診察室、手術室などの空調利用の最適化をサービスとして提供し、設備のリースではなく、サービス料として定額を払って貰うというこれまでになかった空調サービスを始めようというものだ。

 ダイキン三井物産の呼びかけに応じて、業務用空調のサブスクリプションサービス「エアアズアサービス(AaaS)」を18年1月に同社と始めた。高額な空調機器を購入する必要はなく、定額の利用料金を毎月支払うのみ。ダイキンが稼働状況のデータを収集し、故障の予兆を捉えて事前にメンテナンスする。修理や点検の追加費用もかからない。

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■水素の輸送

 太陽光発電など国内の再生可能エネルギーで水素を作る取り組みも進んでいる。しかし、それだけでこれから必要な水素を賄うことは出来ないことは確かだろう。だが、海外で生産して日本に輸送するコストも勘案すると、実際にプロジェクトとして成功するものが生まれるかどうかに疑問をもっていた。それに対し、製造過程で温暖化ガスを出さないエネルギー技術への期待は高まるばかりだ。東京大学やJXTGエネルギーなどは、太陽光で作った水素をオーストラリアから日本に運搬して利用する実証実験に成功した。水素の長距離運搬に適した化合物を作るのに必要な装置のコストを2分の1に低減できるという。水素の化合物を輸送するコストが下がることによって、国内で水素を再エネによって製造するのと実用的に競争できるのだろうか。

 クイーンズランド工科大が設置した太陽光追尾型の高効率太陽電池で発電し、その電気を使って、水素を取り出しやすく運搬も容易なメチルシクロヘキサン(MCH)という液体を作った。MCHは常温常圧で持ち運び可能で、燃えやすい水素を気体や液体で運ぶより運搬に適しているという。従来技術は水の電気分解でいったん水素を作って、その後、水素とトルエンを反応させてMCHを作っていた。これは以前日記に書いたこともある。JXTGエネルギーなどが開発した技術では特殊な電解セルを使うことで、電気を流してトルエンから直接、MCHを作れる。同社の試算ではいったん水素を作る方式よりもMCHを製造に必要な装置のコストを2分の1に減らせるという。なるほどこれであれば、MCHは国内輸送もし易いから、そこから水素を取り出すプロセスコストがどれ程かによって、将来の水素利用がやりやすくなるかも知れない。実証実験では80ワットの出力で10日かけて水素約0.2キログラムに相当するMCHを作った。一般的な燃料電池車を30キロメートル走らせる水素の量にあたるという。MCHから水素を取り出すのには、千代田化工の触媒技術で水素を取り出している。水電解装置のコストは大きく下がりそうにはないようだから、コスト的に引き合うことになるのだろう。実証試験のさらなる結果を続いて出してくれることを期待する。

昨日午後京都で開催されたフィエスタ・メイヒカーナ京都2019に参加した。プロのトランペッターの三男が出演したので、久しぶりに彼の生演奏を堪能。彼の連れ合いが手作りアクセサリーの販売スペースを貰っていたが、沢山の人が手に持って見ていたが、販売実績はどうだっただろうか。

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■自動車の排ガスで発電

 自動車は社会の必需品で、次第に電気自動車や燃料電池自動車が増えるようになってはいるが、当面は燃料でエンジンを回すこれまでの方式が継続されることは確かだ。それはハイブリッド自動車でも同じことだろう。自動車の熱効率を見ると、実投入した燃料エネルギーのうち、走行という本来の機能に使われる割合(熱効率)は高くても4割強にすぎない。ターボチャージャーで拝気圧を使っている例はあるが、その台数は少ない。自動車業界は熱効率を50%まで高める目標を掲げているそうだ。10%上げるのは簡単な話ではないが、それに取り組む企業があるようだ。報道によれば、自動車の改造部品などを製造するエッチ・ケー・エス(HKS)は自動車の排出ガスを使って発電する「ターボジェネレーター」の実用化を進めている。これまで捨てていたエネルギーを活用できるためエンジンの高効率化につながる。ハイブリッド車(HV)向け次世代部品として自動車メーカーも関心を示しており、2022年の納入開始を目指すとのことだ。エンジンの出力を上げるために使うターボチャージャー(過給器)で培った技術が応用される。

 自動車に対する環境規制が世界的に厳しくなるなか「効率の悪いエンジン車は近い将来、規制をクリアできなくなる」(水口大輔社長)。エンジンの高効率化は避けて通れない道だという認識をしている。自動車に使われる化石燃料の量は極めて大きいし、世界で使われているだけに、この技術が採用されて普及すれば、地球温暖化防止にも貢献する。排気量1000cc(小型乗用車クラス)のエンジンの場合、研究中の第3世代(水冷式)では6キロワットの発電が可能で、開発を担っている第3開発部の小林優氏は「熱効率に換算すると2ポイントほどの改善になる」と話す。最終的には8キロワットを目標にしている。もしこれの後取付ができれば素晴らしいが、底まで期待するのは酷かも知れない。こうした性能面の開発をあと1年強で終え、21年には量産準備に入りたい考えだ。価格は未定だが、現在の過給器並みに抑えて普及価格帯のHVへの採用を目指す。これまでこのような着眼をしなかったのがおかしいのかも知れない。

 

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■屋根取り付けの太陽光発電

 昨日京都まで近鉄で出かけることがあった。30分、普通は本を読むことが多かったのだが、外の景色が奇麗だったので眺めていて気が付いたのは、新築らしい住宅の屋根にソーラーパネルが取り付けられているのが多いことだ。新築の場合、ソーラー取りつけのコストは全体のコストからみれば小さいので、パネル価格の低下でこの傾向は強まるだろう。

 ヨーロッパで、宇宙衛星からの写真、パネル価格の低下、電気料金の動向を要素にしてソーラーの普及を予測したらしい。それが示しているのは、屋根の総面積はルクセンブルクの国土面積の3倍に匹敵する規模であり、将来ヨーロッパの電力需要の4分の一を供給することになるだろうということだ。EUのローカーボン政策もこれに大きく貢献する。ヨーロッパでは送電系統に不均衡があるのが問題となるが、ソーラーは地元のエネルギーなので、それが必ずしも障害にはならない。特に今後電気自動車が普及すれば、その電池がバッファーとなるからでもある。

 日本でも現在大規模なソーラーは、地域とのフリクションや森林の破壊などを起こしている。これを避ける方策は、既存の建物の屋根にソーラーを取り付けるのを促進する政策を、固定価格買取が終わった後にも創造する必要がある。ヨーロッパでもソーラーの屋根取り付けの進展には国によってむらがある。日本でも地域差はあるだろうが、最近工場の屋根の利用が増えているのは、企業が環境を事業の重要な要素として受け取るようになったからだが、自家消費に加えて、それをほかの事業者に転売することもやりやすくする制度が強化されれば、日本でもソーラーの普及余地はまだまだ残されているはずだ。

 

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■入居テナントに再エネ電気供給

 森ビルは9月2日、非化石価値取引市場の活用により、六本木ヒルズ森タワーのオフィス入居テナントに対して、再生可能エネルギー電気の供給を開始したと発表したと報じられている。オフィス賃貸事業者が入居テナントに再エネ電気を供給する取り組みは国内初だという。8月から第1社目として、「RE100」加盟企業でもあるゴールドマン・サックス社に対し供給を開始している。今後、虎ノ門ヒルズエリアにおいても、同様の取り組みを推進していくということだが、非化石証書を利用したこのようなビジネスはこれから拡大していくだろう。というのは、環境対応が進んだビルのテナント料が高いのが受け入れられる、あるいは、それを望むテナントが増えているからだ。入居するオフィステナントからの要望に応じ、六本木エネルギーサービスが非化石証書を調達し、森ビルを介して、テナントに証書を提供する。

 そのテナントは、トラッキング付き非化石証書(太陽光、風力、水力、バイオマス、地熱などの電源種別や、発電所所在地などの付加情報が付与された非化石証書)を取得することで、申請した使用電力が再エネ電気であるとみなされ、事業運営に必要な電気を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる国際イニシアチブ「RE100」にも準拠可能となる。六本木ヒルズ地下に独自のエネルギープラントを持ち、これを運営する小売電気事業者「六本木エネルギーサービス」を有していることで実現可能となったものだ。このビルは、優れた省エネルギー性と環境性能のみならず、安全・安心な街づくりの一環として首都直下型の震災にも対応すべく、複数の電力供給システムを備えることで、万が一の震災時にも安定した電力供給が可能となっている。確か東日本大震災の時に東京で大停電が起きたときも、ここだけは系統から切り離して運用して停電しなかったはず。この安定性に加えて環境対応が優れていることで、高いテナント料でも入居者が殺到するかも知れない。勿論、それに応じることができる再エネ電源を確保していなければならないが。

 今後このようなビジネスモデルが多く都市部に生まれるだろう。米国の大都市では何年も前から見られる現象だ。ただ再エネ電力だけでなく、ビル自体が優れた環境対応が出来ていなければならないことはいうまでもない。入居を希望するテナントも、それはよくチェックする必要があるだろう。

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■鉄道総研が燃料電池駆動の列車のモデルを発表

 これまでにも何回か鉄道総研の開発している燃料電池駆動の列車について述べてきたが、いよいよ実用化のモデルが出来上がったようだ。日経が報じているが、開発中の燃料電池ハイブリッド試験電車「R291」について、客室内に搭載していた主要機器を床下に移設したと発表し「鉄道総研技術フォーラム2019」(8月29~30日開催)で公開した。これまでは、燃料電池周りの設備を客室に設置していたが、燃料電池モジュールの高出力密度化などにより機器を小型化し、空いた客室内スペースには通常の電車同様、ロングシートの座席を設けた。燃料電池モジュールは出力を180キロワットへと1.5倍に向上する一方、高さ寸法を抑え、床下搭載に適した形状にしている。

 体積は少し増えたが、出力当たりの体積は20%減らした。燃料電池用電力変換装置は炭化ケイ素(SiC)素子や小型遮断器を採用し、体積を45%減少。従来客室内で大きなスペースを占めていたこれらの装置を床下に搭載できたほか、バッテリーやラジエーターも移設している。電車としての性能は向上させ、編成出力は従来の460キロワットから690キロワットへ増強。起動加速度は、従来がディーゼルカー並みの1.5キロメートル毎時毎秒だったが、改装後は通常の電車並みの2.5キロメートル毎時毎秒になる。R291は、動力モーターを備える「クモヤR290-1」と動力がない「クヤR291-1」の2両編成。燃料電池(200~350ボルト)で生成した電力を昇圧回路を経てバッテリー(500~700ボルト)に充電し、モーターへはバッテリーからの電力をさらに1500ボルトに昇圧して供給する仕組み。2019年中に鉄道総研の所内で走行試験を開始する予定だという。

 発表された資料は、https://www.rtri.or.jp/press/is5f1i000000c1ab-att/20190828_001.pdf

で入手できる。

 これがいつ頃から通常路線を走るのだろうか。水素の供給設備が新設されなくてはならないから、どこか車庫が近くにある路線になるだろうし、現在の無電化路線が最初に選択されるかも知れない。水素は当面は化石燃料から製造されたものが使われるだろうが、いずれは、再生可能エネルギーからの電力で水電解した水素が使われるという想定になる。その実用に至る行程も知りたいところだ。

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■中国の燃料電池自動車

 カナダの燃料電池PEFC)メーカーにBallard社がある。ここから定期的に同社の活動報告的なメールを貰えるようにしているが、今日同社の中国に於ける実績を説明するものが入った。中国は再エネの普及に力を入れているが、同様に推進しているのが電気自動車であり、燃料電池自動車(FCV)だ。

 このレポートが示すように、中国は化石燃料を使用する運輸を駆逐しようとしており、いろいろな補助策や規制を拡大させている。EVのことは良く報道されているが、FCVについてもこれまでに4,000台の商用車を走行させている。燃料電池メーカーであるBallardは、中国企業と合弁事業を推進し、中国の施策を具体化するのに協力している。海外メーカーとしては同社が最大の存在感を持っているのだろう。同社の技術を使ったものが36種類の燃料電池バスとトラックとして走行しているとしているようだ。

 このような市場拡大をしている中国に日本のFCVメーカーがどのようにアプローチしているか知識がないが、Ballardは燃料電池スタックの供給をするだけで、車として完成させるのは中国内のメーカーになる。乗用車よりもバスやトラックに力を入れているのは、おそらく水素供給ネットワークとの関係があるだろう。バス、トラックは、基地があるから、そこに充填設備を置けば大きな問題は起きないのだろう。

 日本では走行台数はまだ少ないはずだ。今後の成長に期待したいが、中国製品の輸入もありうるから、早期の普及を計画してほしいと思う。